
※当記事はPRを含みます。
※カシモWiMAXは株式会社マーケットエンタープライズの関連会社、株式会社MEモバイルが運営しています。
インターネット環境は今や生活に不可欠ですが、電波が届きにくい場所や災害時など、「ネットがあったら」と願う場面は少なくありません。
そんなインターネット空白地帯の常識を塗り替えたのが、イーロン・マスク率いるSpaceXが提供する「Starlink(スターリンク)」です。
地球低軌道を周回する数千もの小型衛星によって、これまで通信利用が難しかったあらゆる場所で、高速かつ低遅延のインターネットが利用できるようになりました。
しかし、「最先端の技術だから料金は高いんじゃないの?」「本当に快適に使えるの?」「複雑な契約や設置が必要なの?」といった疑問も浮かぶでしょう。
この記事では、そんなあなたの疑問を解消すべく、Starlinkの最新料金プラン、契約・解約方法、気になる通信速度、そして導入のメリット・デメリットまで、知りたい情報を徹底的に、そして分かりやすく解説します。
Starlinkの導入を検討中の方も、次世代のインターネットに少しでも興味がある方も、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。

Starlink(スターリンク)とは?

出典:Starlink
Starlinkは、イーロン・マスクが率いる宇宙開発企業SpaceX(スペースX)が提供する衛星インターネットサービスです。
従来のインターネット(光回線やホームルーターなど)が地上のケーブルや基地局に依存し、エリアや工事の有無に制約があるのに対し、Starlinkは地球の低軌道上を周回する数千もの小型人工衛星を使って直接通信を行います。
これにより、これまではネット接続が難しかった山間部、離島、海上など、広範囲で高速かつ低遅延なインターネット接続を可能にしました。
個人向けであれば専用のアンテナ(ディッシュ)を設置するだけで利用でき、大がかりな工事が不要な点も大きな特徴です。
従来の衛星インターネットが抱えていた速度遅延も大幅に改善されており、まるで光回線のような快適な通信をより多くの場所で利用できるようになります。
【2025年最新】Starlinkの料金プランを徹底解説
Starlinkの料金は、利用する場所や用途によってプランが分かれており、それぞれ初期費用(ハードウェア代金)と月額料金が発生します。
個人向けと法人・ビジネス向けの主要プランについて詳しく解説していきます。
個人向け料金プラン:レジデンシャル(Lite)プラン・ROAMプランはこちら
法人向け料金プラン:Business(ローカル優先・グローバル優先)はこちら
Starlinkの個人向け主要プラン料金
個人のユーザーが利用可能な主なプランは、「レジデンシャルプラン」「Starlink Roam」の2種類。
レジデンシャルプランは個人宅向けの固定利用プラン、ROAMプランは車や船など屋外での使用に向いたプランです。
レジデンシャルプラン・レジデンシャルliteプランの料金

出典:Starlink
プラン名 | 月額料金 | 初期費用 |
---|---|---|
レジデンシャルプラン | 6,600円 | Starlink標準フラットキット:38,600円 Starlink Miniキット:24,360円 |
レジデンシャルLiteプラン | 4,600円 | Starlink標準フラットキット:38,600円 Starlink Miniキット:34,800円 |
Starlinkの個人向け固定利用プランには、レジデンシャルプランと、より月額費用を抑えたレジデンシャルLiteプランがあります。
どちらも自宅など特定の場所で利用することを想定されたプランです。レジデンシャルプラン・レジデンシャルliteプラン共通の費用として、Starlink Kitの購入代がかかります。
通常のレジデンシャルプランの月額料金は6,600円。高い通信速度と安定性を優先したい方におすすめです。
ダウンロード速度は通常100~270Mbps以上が期待でき、オンラインゲームや大容量データのやり取りが多いユーザーに最適です。
一方、レジデンシャルLiteプランは月額4,600円と安価ですが、通信の優先順位が低くなります。
いわゆる「通信混雑時間帯」と言われる昼や夕方~夜などの時間帯では、通常のレジデンシャルプランの通信が優先され、Liteプランの速度が一時的に遅くなる可能性があります。
このプランの一般的なダウンロード速度は45~130Mbpsほど。インターネットの利用頻度がそれほど高くない方や、Web閲覧や動画視聴が主な用途で速度の多少の変動を許容できる方に適しています。
どちらのプランもデータ量自体は無制限ですが、速度と安定性の違いを理解した上で、自身の利用状況に合ったプランを選ぶことが重要です。
Starlink Roam(旧:RV)プランの料金

出典:Starlink
プラン名 | 月額料金 | 初期費用 |
---|---|---|
ROAM 50GB | 6,500円 | Starlink標準フラットキット:38,600円 Starlink Miniキット:34,800円 |
ROAM 無制限 | 11,500円 | Starlink標準フラットキット:38,600円 Starlink Miniキット:34,800円 |
キャンピングカーやRVでの旅行中、あるいは船舶上、または頻繁に場所を変えてインターネットを利用したい方には、Starlink Roamプランがおすすめです。
レジデンシャルプランと比較して、どこでもStarlinkを利用できる自由度がこのプランの最大の魅力です。
初期費用はレジデンシャルプランと同様、「Starlink Kit」の購入費用としてがかかります。
月額料金には、利用頻度やデータ量に合わせて選べる2つのオプションがあります。
50GBの優先データが月額6,500円で利用できるROAM50GBプランと、データ量無制限で月額11,500円のROAM無制限プランです。
Starlink Roamが特徴的なのは、サービスを一時的に停止・再開できる柔軟性を持っている点です。
例えば、旅行期間だけ利用し、自宅に戻っている間はサービスを停止することで、その期間の月額料金を抑えることが可能です。これにより、長期的なコストを効率的に管理できます。
このため、年に数回のアウトドア活動や長距離の車中泊旅行、あるいは短期間の現場作業など、利用期間が限定的・不規則な方には、このROAMプランが最適な選択と言えるでしょう。
法人・ビジネス向けプランの料金詳細
ビジネス用途では、個人向けプランよりもさらに高速で安定した通信が可能な専用プランが用意されています。
大規模な事業所や移動するビジネス環境など、それぞれのニーズに対応したサービスが提供されています。
Starlink Business(ビジネス)プランの料金

企業や団体など、オフィスや拠点でのビジネス利用に特化したプランがStarlink Businessです。個人向けプランよりも優先度の高いネットワークアクセスと、より堅牢なハードウェアが提供されます。
初期費用は、高性能なハードウェア代金として237,000円が必要です。
月額料金は、利用する地域と利用するデータ容量によって異なり、8,800円(ローカル優先50GB)から、さらに大容量のプランも選択可能です。
ローカル優先プランでは契約した国・地域のみ、グローバル優先プランでは世界中で優先データが利用可能となります。ただし、料金はグローバル優先データの方が高くなります。料金の一覧を以下に記載します。
プラン名 | 月額料金 |
---|---|
ローカル優先 50GB | 8,800円 |
ローカル優先 500GB | 22,400円 |
ローカル優先 1TB | 39,500円 |
ローカル優先 2TB | 73,400円 |
グローバル優先 50GB | 40,000円 |
グローバル優先 500GB | 104,000円 |
グローバル優先 1TB | 184,000円 |
グローバル優先 2TB | 344,000円 |
このプランは、多数の従業員が同時に利用するオフィス環境や、大量のデータを扱うようなビジネスシーンで、安定した高速通信を求める企業に最適です。
Starlink Direct to Cellの料金と提供状況
Starlink Direct to Cellは、スマートフォンから直接Starlink衛星と通信できるという、まさに未来の技術です。
これにより、基地局がない場所でもスマートフォンが圏外になる心配が大幅に減少します。
au Starlink Directの料金体系
日本では、KDDI(au)がStarlinkと提携し、「au Starlink Direct」としてこのサービスを展開しています。
2025月現在、au Starlink Directは主に緊急時や災害時におけるSMS(ショートメッセージサービス)の送受信を対象に提供が進められています。
現時点では、特定のプランに含まれる形での無料提供や、限定的な試用が行われている段階ですが、将来的には音声通話やデータ通信といったサービスも提供される見込みです。
具体的な料金体系については、現時点では明確な情報が少ないものの、今後のサービス拡大に伴い、月額料金やデータ使用量に応じた課金体系が設定される可能性が高いでしょう。
緊急時の通信手段としては無料で提供される期間があるかもしれませんが、日常的な利用が視野に入ってくれば、通常のモバイル通信プランに上乗せされる形や、専用のオプションプランとして提供されることが予想されます。
Starlinkの料金は高い?他インターネット回線との費用比較
Starlinkの料金は、既存の通信サービスと比較すると、基本的には高めに設定されています。
しかし、その性能や利用できる環境を考慮すると、単純な価格だけでは測れない独自の価値があります。
特に、光回線や携帯電話の電波が届きにくいエリアにお住まいの方、あるいは災害時における通信手段の確保を重視する方にとって、Starlinkは費用対効果の高い選択肢となり得ます。
ここでは、主要なインターネットサービスと比較しながら、Starlinkがあなたにとって最適な選択肢かどうかを判断する材料を提供します。
その他のインターネット回線、光回線とホームルーターやポケットWiFiとStarlinkを比較すると、以下のような形になります。
- 費用面:光回線・ポケットWiFi・ホームルーターの方がStarlinkより優れている
- 通信速度:光回線>Starlink>ホームルーター・ポケットWiFiの順に優れている
より詳しく解説していきましょう。
Starlinkと光回線を比較
光回線は、工事費がかかる場合があるものの、キャンペーンで実質無料になることも多く、月額料金は3,000円〜7,000円台が一般的です。
通信速度は非常に高速で、ダウンロードが数百Mbps〜数Gbps、Ping値も10ms〜25ms程度と低遅延です。オンラインゲームや大容量通信には最適でしょう。
一方、Starlinkは初期費用としてハードウェア代金がかかり、レジデンシャルプランの月額料金は6,600円。
速度はダウンロードが100Mbpsから270Mbps以上、Ping値は20msから60ms程度と、光回線には及ばない性能です。
結論として、光回線が利用できる地域では、コストと速度の面で光回線が有利なことが多いです。
しかし、光回線が引けない、または工事が難しい地域では、Starlinkが工事不要で高速かつ低遅延なインターネット環境が用意できるのがメリットです。
Starlinkとホームルーター・モバイルWi-Fiを比較
ホームルーターやモバイルWi-Fiは、手軽に導入できる点でStarlinkと共通していますが、提供される通信品質には大きな差があります。
これらのサービスは月額3,000円〜5,000円程度で利用でき、初期費用も比較的安価なものが多いです。そのため、費用面ではホームルーターやモバイルWiFiに軍配があがります。
しかし、通信速度ではStarlinkの方が優れています。特に、利用者が集中する時間帯や、電波の弱い場所ではホームルーター・ポケット型WiFiは速度が著しく低下したり、通信が不安定になったりするケースも少なくありません。
Starlinkは、上空の衛星を介して通信を行うため、地上の基地局の混雑にほとんど影響されません。これにより、より高速かつ低遅延の安定した通信を提供できます。通信速度は、Starlinkが一般的なホームルーターやモバイルWi-Fiを大きく上回ることが多く、安定性も優れています。
また、サービスエリアの広さも圧倒的で、携帯電話の電波が届かないような場所でもインターネットを利用できるのが大きな強みです。
したがって、手軽さだけでなく、速度と安定性を重視し、かつ電波状況に左右されたくない方にとっては、StarlinkがホームルーターやモバイルWi-Fiの上位互換となり得る選択肢と言えます。
▼うぃふぃではおすすめのホームルーターやその料金の比較・おすすめのポケット型WiFiやその料金の比較もご紹介しています。
Starlinkの契約方法
Starlinkの導入は、従来の固定回線のように複雑な工事や手続きを必要とせず、非常にシンプルです。
ここでは、契約から実際にインターネットを利用するまでの流れ、そして支払い方法や解約時の注意点までを詳しく解説します。
Starlinkの契約方法と必要なもの
Starlinkは公式サイト・公式アプリ(iOS版Starlink/Android版Starlink)からのオンライン申し込みで契約できます。
契約に必要なものは以下の通りです。
- 住所: Starlinkアンテナを設置しインターネットを利用する場所の正確な住所
- クレジットカード情報:口座振替等の支払方法は不可。スマホから申し込みの場合はAppleアカウントから支払い可能
- 連絡先情報: メールアドレスや電話番号など。
公式サイトにアクセスし、希望するサービスプランとKit、オプションを選択後、住所と支払い情報を入力するだけで申し込みは完了します。
申し込み後、Starlink Kitが自宅に配送されます。公式では数日から数週間と記載されていますが、1週間程度でKitが届きました。
ただし、配送日は現在の状況によって異なるため注意してください。申し込み後、公式アプリからKitがいつ届くのかが確認できます。
Starlinkアンテナ(Dish)の設置方法・Starlink Kitの選び方
Starlinkの大きな特徴の一つは、専門業者による工事が不要で、ユーザー自身でアンテナ(ディッシュ)を設置できる点です。
これにより、工事費用を抑え、迅速にインターネットを利用開始できます。
申し込み時にStarlink Kitを選ぶことができます。その特徴をそれぞれまとめました。
項目 | Starlink Miniキット | 標準フラットキット | パフォーマンスキット |
---|---|---|---|
サイズ | 約29.8cm x 25.9cm x 3.8cm (約1.1kg) |
約59.4cm x 38.3cm x 3.9cm (約3.2kg) |
約57.5cm x 51.3cm x 5.1cm (約7.0kg) |
ルーター | アンテナ一体型Wi-Fiルーター内蔵 | 別体型Wi-Fi 6ルーター付属 (Gen 3 Router) |
別体型Wi-Fi 6ルーター付属 (Gen 3 Router) |
平均消費電力 | 20〜40W | 40〜75W | 75〜100W (積雪融解時などさらに高くなる場合あり) |
LANポート | 1ポート (付属ケーブルは短い) |
複数ポート (ルーターにLANポート搭載) |
複数ポート (ルーターにLANポート搭載) |
耐候性 | IP67(防水防塵) 積雪融解能力は標準フラットより劣る場合あり |
IP67(防水防塵) 積雪融解能力はMiniより高い |
より優れた耐候性・積雪融解能力 |
個人の方は持ち運びを考えているならMini、個人宅・屋外での設置を考えているなら標準フラットセットを選択するのが良いでしょう。
また、標準フラットキットの30日間トライアルも利用可能となっています。
Starlink Kitに同梱されているアンテナは、屋根や庭など、空が広く開けており、衛星からの電波を遮るものがない場所に設置するとより高速な通信を利用できます。
が、屋内の部屋に置くなどしても通信自体は利用できますが、外に置くよりもかなり通信品質は落ちます。個人宅で利用される方は可能な限り窓側に置くとよいでしょう。
Starlinkの専用アプリを使えば、アンテナの最適な設置場所や向きを簡単に確認できます。アンテナ自体は自動で最適な角度に調整されるため、特別な知識は必要ありません。

しかし、より安定した設置を求める場合や、屋根上への設置など高所作業が必要な場合は、市販のマウント(設置用金具)を購入したり、専門の業者に設置を依頼することも可能です。
その場合、マウント代や設置工事費用(数万円程度)がかかります。
Starlinkの支払い方法
Starlinkの月額料金の支払いは、クレジットカードによる自動引き落としのみとなっています。口座振替は利用できません。
初回申し込み時に登録したクレジットカード情報が毎月の決済に利用されます。
請求サイクルは、Starlink Kitが発送された日、またはサービスが有効になった日を基準に設定され、毎月その日付に合わせて自動的に料金が引き落とされます。
引き落とし日や請求額については、Starlinkのユーザーアカウントページで確認することができます。
Starlinkの解約方法と解約金・返却の有無
Starlinkは、従来のインターネットサービスのような長期契約の縛りや最低利用期間がありません。そのため、ユーザーはいつでも自由にサービスを解約することが可能です。
解約は、Starlinkのユーザーアカウントページからオンラインで手続きを行うことができます。特別な解約金や違約金は発生しません。
ただし、Kit(アンテナ、ルーターなど)の返却が必要となる場合があります。返却の要否や、返却時の送料負担については、解約時の画面表示や規約を必ず確認するようにしましょう。
参考:サービスをキャンセルするにはどうすればよいですか?(Starlink公式ページ)
Starlinkの通信速度
Starlinkの大きな魅力の一つが、衛星インターネットとしては画期的な高速性と低遅延です。
しかし、実際の利用状況はどうなのでしょうか。ここでは、Starlinkの公称速度と実測値について詳しく解説します。
Starlinkの通信速度と実測値 – 実際の利用状況
Starlinkが公表している通信速度は、プランによって異なりますが、一般的なレジデンシャルプランの場合、ダウンロード速度は100Mbpsから270Mbps以上、アップロード速度は10Mbpsから20Mbps以上が期待できるとされています。
これは、光回線に匹敵する、あるいはそれに近い非常に高速な数値です。
実際の利用状況においても、多くのユーザーがこの公称値に近い速度を報告しています。特に、光回線が引かれていない山間部や離島などでは、これまで経験したことのない快適なインターネット速度を実感できるでしょう。
高画質の動画ストリーミング、大容量ファイルのダウンロード、オンライン会議などもスムーズに行うことが可能です。
ただし、衛星からの電波状況や設置環境、ネットワーク全体の負荷などによって、実測値は変動する可能性があります。Starlinkの専用アプリを使えば、いつでもリアルタイムの通信速度や接続状況を確認できます。
実際にStalinkに接続し通信速度を計測してみました。場所は銀座、時間はお昼12:00ごろの計測値となります。
ダウンロード速度 | 129.65Mbps |
---|---|
アップロード速度: | 24.38Mbps |
上記の計測結果は屋外での速度となります。ただし、ビル街での計測のため完全に開けた屋外と比較すると若干通信速度は落ちているかと思われます。
また、今回は晴れの日に計測しました。Starlinkは衛星通信の特性上、悪天候の影響を受ける可能性があります。
特に、激しい雨、大雪、濃霧、雷雨などは、衛星からの電波を減衰させ、一時的に通信速度の低下や接続の不安定化を引き起こすことがあります。
これは「レインフェード」や「スノーフェード」と呼ばれる現象で、衛星通信では避けられない課題の一つです。
混雑時の速度低下は起こる?
ネットワークの利用者が集中する時間帯、例えば夜間や週末などには、一時的に通信速度が低下する可能性はゼロではありません。これはStarlinkに限らず、あらゆるインターネットサービスに共通して起こりうる現象です。
ただし、レジデンシャルLiteプランのように、通信の優先順位が低いプランでは、通常のレジデンシャルプランやビジネスプランの通信が優先されるため、混雑時の影響をより受けやすい可能性があります。
自身の利用時間帯やインターネットの使用目的を考慮し、最適なプランを選ぶことが、混雑時の速度低下を避ける上でも重要です。
Starlinkのメリット・デメリット
どんな優れたサービスにも、メリットとデメリットが存在します。Starlinkも例外ではありません。
ここでは、Starlinkを導入する上で知っておきたい、その利点と留意点を分かりやすく解説します。
Starlinkのメリット
Starlinkの最大の強みは、地上のインフラに依存しないことにあります。これにより、光回線や携帯電話の電波が届かないような山間部、離島、あるいは海上といった場所でも高速インターネットを利用できます。
さらに、地震や台風、洪水などの自然災害で地上の通信網が寸断された際にも、Starlinkは独立した通信手段として機能します。これは、非常時の連絡手段確保や情報収集において、計り知れない価値があると言えます。
また、従来の光回線のような大がかりな開通工事は一切不要です。Starlink Kitが届いたら、アンテナを設置し、電源を入れるだけでインターネットに接続できます。
これにより、申し込んでから数日〜数週間で利用開始できるため、急ぎでインターネット環境が必要な場合にも非常に便利です。
Ping値(遅延速度)も低く抑えられており、オンラインゲームや高画質のビデオ会議など、リアルタイム性が求められる用途でも快適に利用できるレベルにあります。
Starlinkのデメリット
多くのメリットがある一方で、Starlinkにはいくつか考慮すべきデメリットも存在します。
他の一般的なインターネット回線と比較すると、Starlinkは初期費用(ハードウェア代金)と月額料金(レジデンシャルプラン6,600円〜)が比較的高い傾向にあります。
特に光回線が利用できる都市部にお住まいの場合、コスト面では既存のサービスの方が有利なケースが多いでしょう。
また、Starlinkアンテナは、可能な限り衛星からの電波を遮るものが何もない開けた場所に設置する必要があります。
屋根の上や庭など、比較的目立つ場所に設置することになるため、自宅の景観に影響を与える可能性があります。設置場所によっては、専用のマウントやポールなどのオプション品が必要になることもあります。
屋内に設置しても通信自体は可能ですが、通信品質はかなり落ちるため注意してください。
さらに、Starlinkアンテナは稼働時に電力を消費し、特に冬場などは自己融解のために熱を発します。
そのため、常に一定の電力がかかることを認識しておく必要があります。発熱によって設置場所周辺の雪が溶けたりする利点がある一方で、周囲の環境に影響を与える可能性も考慮に入れておくべきでしょう。
衛星通信の性質上、激しい雨、大雪、雷雨といった悪天候時には、一時的に通信速度が低下したり、接続が不安定になったりする可能性もあります。
これは避けられない現象ですが、多くは一時的なもので、天候が回復すれば通常の通信に戻ります。
Starlinkに関するよくある質問
最後に、Starlinkに関するよくある質問をまとめました。
Starlinkを複数人で使うことはできますか?
Starlinkは複数人で同時に使うことが可能です。Starlink Kitに含まれるWi-Fiルーターは、複数のデバイスを同時に接続できるように設計されています。
同時接続数はルーターによって異なりますが、最大で128台~256台の同時接続が可能です。
正式名称(キット名) | 通称 | 付属ルーターの同時接続台数 |
---|---|---|
第1世代 Standard Actuated Kit |
丸ディッシュ 円形アンテナ |
最大128台 |
第2世代 標準キット (Rectangular) |
四角ディッシュ 長方形アンテナ |
最大128台 |
第3世代 標準キット(V4) |
キックスタンド付き四角ディッシュ 新型四角アンテナ |
最大235台 |
Mini Starlink Mini Kit |
ミニディッシュ 小型アンテナ |
最大128台 |
家族全員でインターネットを利用したり、オフィスやイベント会場で複数人が同時に接続したりする場合でも、Starlinkの高速かつ安定した通信は、快適な共有環境を提供します。
StarlinkのルーターはWi-Fi 6に対応していますか?
2025年8月現在、Starlinkの標準的なルーターはWi-Fi 5(802.11ac)に対応しています。
最新のWi-Fi 6(802.11ax)には対応していませんが、Wi-Fi 5でも一般的な家庭での利用や高速通信には十分な性能を発揮します。
もし、ご自宅にWi-Fi 6対応デバイスが多く、Wi-Fi 6の高速性や効率性を最大限に活用したい場合は、Starlinkのルーターをブリッジモードで運用し、別途市販のWi-Fi 6対応ルーターを接続することも可能です。
これにより、Starlinkの高速回線をWi-Fi 6環境で利用できるようになります。
中古のStarlinkは利用できますか?
中古のStarlink Kitを譲り受けて利用することは可能です。Starlinkでは、中古のハードウェアを再利用できるよう、公式に「譲渡」の仕組みを提供しています。
ただし、単に中古品を入手しただけではすぐに使えません。元の所有者が自身のStarlinkアカウントでデバイスを「譲渡可能」な状態にする必要があります。
その後、新しい所有者が自身のStarlinkアカウントにデバイスを紐付け、契約手続きを行うことで利用が可能になります。
中古品を購入または譲り受ける際は、必ず元の所有者にデバイスの譲渡手続きを依頼し、自身のアカウントで有効化できる状態になっているかを確認することが重要です。
そのため、フリマサイト・オークションサイトなどでStarlinkの端末を購入するのはかなりリスクのある行為です。
知人の方から譲り受ける形で利用する、一度使っていた端末を解約して再契約するなどの場合は利用できますが、アカウント譲渡が確実にできる状態でない限りは中古品の購入は控えるようにしてください。
まとめ
Starlinkは、その初期費用や月額料金だけを見ると、既存の光回線やホームルーターよりも高価に感じるかもしれません。しかし、その真の価値は、料金だけでは測れない独自のメリットに集約されます。
光回線が引けない山間部や離島、あるいは工事が困難な場所での高速インターネットアクセス。移動しながらでも快適な通信を実現するモビリティ。
そして、地震や台風といった大規模災害時にも機能し続ける、非常に強靭な通信インフラとしての側面。これらの価値は、日々の生活における利便性だけでなく、いざという時の安心感やビジネス継続性において、料金以上の意味を持つでしょう。
現在のところ、特に個人利用の観点ではStarlinkはごく小さいニーズをお持ちの方に向けたサービスであることは否めません。
光回線やホームルーター・モバイル型WiFiといった既存サービスの方がコスパは優れています。
一方で、通信の未来を大きく変えるサービスであることも間違いありません。衛星の追加打ち上げや技術の進化、新サービス展開によって、Starlinkは今後より多くの人にとって魅力的な選択肢となるかもしれません。